中東情勢・原油・ナフサ不足が、整備現場にも影響し始めています
こんにちは。
井野口自動車整備工場の井野口誠です。
先日、
「新車の納期が長期化する時代に、パッカー車をどう確保するか」
という記事を投稿しました。
その後も、中東情勢は引き続き緊迫した状態が続いています。
数日前までは、アメリカとイランの協議により、状況が少し落ち着くのではないかという期待もありました。
日本国内でも、その期待から株価が回復する場面がありました。
しかし、報道を見る限り、状況はまだ落ち着いたとは言いにくいように感じます。
これは遠い国の話のように思えるかもしれません。
しかし、原油やナフサが安定して日本国内に入ってこない状況が続けば、私たちの生活や仕事にも、さまざまな形で影響が出てくる可能性があります。
油脂類の入荷にも影響が出始めています
現在、弊社の修理工場でも、少しずつ影響を感じ始めています。
エンジンオイル。
ギヤオイル。
作動油。
ブレーキフルード。
冷却水。
グリス。
こうした整備に欠かせない油脂類について、注文はしてあるものの、入荷が遅れているものがあります。
仕入れ先にも定期的に入荷状況を確認していますが、現時点では入荷時期がはっきりしないものもあります。
戦争が始まった当初は、ここまで長引くとは思っていませんでした。
また、お客様に余計な混乱や不安を招いてはいけないと思い、これまで油脂類の入荷状況について大きくお知らせすることは控えてきました。
しかし、状況が長引けば、車検整備や修理の段取りにも影響が出てくる可能性があります。
油脂類は、車両を守るために欠かせないものです
油脂類は、車両にとってとても大切なものです。
エンジンオイルは、エンジン内部を守ります。
ギヤオイルは、ミッションやデフなどのギヤを守ります。
作動油は、パッカー車の油圧装置を動かすために必要です。
ブレーキフルードは、ブレーキの安全に関わります。
冷却水は、エンジンの熱を管理します。
グリスは、各部の動きを守り、摩耗を防ぎます。
どれも、ただの消耗品ではありません。
車両を安全に動かし、故障を防ぐために必要な大切なものです。
オイルメンテナンス不良は、大きなトラブルにつながります
オイルメンテナンスを怠ると、車両には大きな負担がかかります。
エンジン内部の摩耗。
油圧装置の不具合。
ギヤの損傷。
ブレーキ関係の不具合。
冷却不足によるオーバーヒート。
グリス切れによる異音やガタ。
さらに、現代のディーゼル車では、オイル管理の状態が、排気ガスをきれいにする装置にも影響することがあります。
結果的に、
DPF・DPD・DPRマフラーの詰まりや再生不良などのトラブル
につながる可能性があります。
特にパッカー車は、普通のトラックに比べて、
走行・停止・積込み作業をくり返すことが多い車両です。
そのため、エンジンや油圧装置、排気ガスをきれいにする装置にも負担がかかりやすくなります。
だからこそ、オイルメンテナンスは、ただの定期交換ではありません。
エンジンを守るため。
排気ガスをきれいにする装置を守るため。
そして、現場で車両を止めないため。
とても大切なメンテナンスです。
修理需要や重整備も増えています
現在、弊社でも修理待ちの車両が増えています。
軽整備だけでなく、重整備も増えているように感じます。
新車への入れ替えが思うように進まず、
今ある車両を長く使うケースが増えていること。
新車の納期が長くなっていること。
そして、今ある車両を修理しながら使い続けるケースが増えていること。
こうしたことが重なり、整備現場への負担も大きくなっています。
今後、油脂類や部品の供給がさらに不安定になれば、修理日程の調整が今まで以上に難しくなる可能性もあります。
こんな時だからこそ、車両の健康状態に目を向ける
こうした状況の中で大切なのは、
壊れてから慌てることではなく、壊さないために意識すること
だと思います。
お客様自身でも、日頃から車両の健康状態に少し意識を向けていただくことが大切かもしれません。
たとえば、
オイル漏れはないか。
冷却水が減っていないか。
変な音がしていないか。
焦げたようなにおいがしないか。
警告灯が点いていないか。
パッカー部分の動きがいつもと違わないか。
グリスアップが不足していないか。
作動油の量やにじみはないか。
こうした小さな確認が、大きな故障を防ぐきっかけになります。
新車の納期にも、さらに影響が出る可能性があります
現在、塵芥車の新車納期は、概ね30ヵ月ほどと言われています。
これは、経済や部品供給が正常に動いていることを前提とした納期です。
しかし、新車を製造するには、さまざまな部品や材料が必要です。
油脂類。
樹脂部品。
ゴム部品。
ホース。
電装部品。
塗料。
内装材。
梱包資材。
何か一つでもそろわなければ、完成車として出荷することができない可能性があります。
もし原油やナフサを原料とする製品の供給が滞れば、新車の納期がさらに延びる可能性も考えられます。
新車価格の上昇。
部品価格の上昇。
中古車価格の上昇。
修理費用の上昇。
こうした影響も、今後さらに出てくるかもしれません。
中古パッカー車の現状
中古パッカー車の市場でも、変化を感じています。
オークション会場を見ていても、以前に比べて程度の良い車両が少なくなってきているように感じます。
一方で、車両の程度がそれほど良くない場合でも、取引価格は上がっています。
新車の納期が長い。
今ある車両を使い続ける会社が増えている。
中古車への需要が高まっている。
為替の影響で、海外バイヤーから見ると日本の中古車が割安に見える場面もある。
こうした要因が重なり、国内の事業者にとっては、以前よりも中古車の確保が難しくなっているように感じます。
弊社でも最近は、オークションでの落札を以前以上に慎重に考えるようにしています。
価格だけで判断するのではなく、年式、走行距離、架装部分の状態、下まわり、油圧関係、電気系統、前の使われ方などを見ながら、次の現場で本当に使える車両かどうかを見極めています。
限りある資源を、どう使うか
もし油脂類や部品、材料に限りが出てくるような状況になれば、社会全体としても優先順位を考えなければならない場面が出てくるかもしれません。
当然、まず優先されるべきは人命です。
医療。
救急。
災害対応。
生活に直結する分野。
限りある資源は、まず人命を守るところへ回されるべきだと思います。
そのうえで、私たちのような整備工場も、限られた資源を無駄にしない意識が必要になります。
そして、お客様にとっても、今ある車両を大切に使うことが、これまで以上に大切になってくると思います。
今できること
今すぐできることは、決して特別なことばかりではありません。
日常点検をする。
異音や違和感を放置しない。
オイル漏れや水漏れを早めに相談する。
定期的なオイル交換を計画的に行う。
グリスアップを忘れない。
警告灯が点いたら早めに確認する。
車検や修理の予定を早めに相談する。
予備車や入れ替え計画を少し早めに考えておく。
こうした積み重ねが、車両を守ることにつながります。
パッカー車は、街の清潔を支える大切な働く車です。
止まってしまえば、現場の仕事だけでなく、地域の生活にも影響が出てしまいます。
だからこそ、今ある車両を健康な状態に保つことが大切です。
まとめ
世界情勢の変化は、遠い国の話に感じるかもしれません。
しかし、原油やナフサ、油脂類、部品、材料の供給に影響が出れば、整備現場にも確実に関係してきます。
弊社でも、油脂類の入荷遅れを感じ始めています。
今後、状況が長引けば、車検整備や修理日程にも影響が出る可能性があります。
だからこそ、これからは、
壊れてから直す
だけではなく、
壊さないために守る
という考え方が、より大切になってくると思います。
必要になってから慌てるのではなく、
必要になる前に考えておく。
車両の状態を早めに確認する。
小さな不具合のうちに相談する。
今ある車両を健康な状態で長く使う。
こうした意識が、これからの時代にはとても大切になると感じています。
井野口自動車整備工場では、今後も仕入れ先と連絡を取りながら、油脂類や部品の入荷状況を確認し、できる限りお客様の現場が止まらないよう努めてまいります。
ご心配な車両や、気になる症状がありましたら、早めにご相談ください。
今ある大切な車両を、少しでも良い状態で長く使えるように。
これからも現場目線で、できることを一つずつ進めていきたいと思います。







