こんにちは、井野口誠です。
ブログチャレンジ4日目の今日は、塵芥車に関わる整備士として、ぜひともお伝えしたいテーマがあります。
それは――
「DPFマフラーの目詰まり」について。

近年、環境対策の一環として多くのディーゼル車に装着されているDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)ですが、塵芥車のようにストップ&ゴーが多く、PTO作業も頻繁な車両では目詰まりトラブルが非常に多いのが実状です。
「なんか最近パワーが落ちたな…」
「警告灯がついてるけど、動いてるから大丈夫でしょ?」
そう思って放置していると、高額な修理に繋がる可能性大!
今日は、現場でよくある事例と、誰でもできる対策についてわかりやすく解説します。

※DPFマフラー内フィルター 溶損の様子
■ DPFって何?簡単に説明すると…
DPFマフラーは、ディーゼルエンジンから出る黒煙(スス=PM)をキャッチし、定期的に燃焼してきれいにするフィルターです。
通常は、走行中に「自動再生(ススを焼く)」が行われますが、塵芥車のような使用条件では…
- 停車が多くてエンジン温度が上がらない
- 市街地走行が中心で長距離を走らない
- アイドリングが長くて回転数が上がらない
- PTO作業時再生燃焼がキャンセルされてしまう
…といった理由から、再生が不十分で、ススがたまりやすい=目詰まりが起きやすいのです。
■ こんな症状、出ていませんか?
- エンジンチェックランプ(警告灯)が点灯した
- 加速が鈍い、坂道でパワーが出ない
- 再生スイッチを押しても再生できない
- 車両からの再生要求が1〜2日に1回と頻繁になってきた
これらはすべて、DPFマフラー目詰まりの初期症状かもしれません。
放置すれば、最悪の場合、走行不能・高額修理コースへとつながります。
■ 実際にあった事例(整備現場より)
ある廃棄物収集運搬業者様の塵芥車。
警告灯が点いた状態で数日使用した結果、DPFマフラーが完全に詰まり、エンストで路上停止。
最終的に…
- マフラー新品交換(部品代だけで20万円超)
- 工賃+代車手配+業務停止による損失
→ もし早めにご来店いただけていれば、約1/3の費用で洗浄による対応ができた可能性が高かった事例です。

■ 対策①:エンジンコンディションを整える
- エンジンオイルは早め・定期的に交換する
→ 走行距離ではなく「稼働時間」を目安に - 指定グレードのオイルを使う
→ 粗悪なオイルは“アッシュ”を多く発生させます - 燃料系洗浄剤を活用して燃焼効率を高める
■ 対策②:定期的にプロの洗浄を受ける
メーカーの取扱説明書にも記載があります:
「DPFマフラーの目詰まりは故障ではありません。構造上、定期的な洗浄が必要なメンテナンス項目です。」
〇 なぜ洗浄が必要なのか?
DPFには「スス(PM)」のほかに燃焼しても残る“アッシュ(灰)”が堆積します。
このアッシュは…
- 走行中の再生では焼けません
- エアブローでも落ちません
- 水洗いでも除去できません
〇 専用の薬剤と洗浄機を使って、内部から除去する必要があります!
■ 当社のDPF洗浄サービスの特長
- 車両に外部診断機を接続して詰まり具合を診断
- 分解→内部洗浄→組み付け→強制再生まで一貫対応
- 塵芥車の構造を熟知したスタッフが対応
〇 洗浄により再生回数が減り、燃費・馬力も改善!
〇 DPFの寿命が延び、マフラー交換コストを大幅にカットできます。
■ 最後に
DPFマフラーのトラブルは、「知らなかった」「放置てしまった」ことによる損失が大きい部品です。
- 正しい知識
- 毎日の点検
- 少し早めの対応
この3つで、塵芥車の寿命も、整備コストも、大きく変わります。
次回の【Day5】では、「日常点検で見るべきポイント」についてわかりやすくご紹介します。
明日もぜひご覧ください!
