こんにちは、井野口誠です。
10日間ブログチャレンジも折り返し地点の5日目になりました。
今日は、塵芥車の整備士として本当に伝えたいことの一つ――**「運行前点検の重要性」**についてお話しします。
毎朝、点検をしていますか?
「一応、ぐるっと見てますよ」
「異常があったら言うようにはしてます」
そんな声を現場ではよく聞きます。
でも、実際に整備工場に運ばれてくる塵芥車の中には、
“点検していれば防げたはずのトラブル”
が、本当にたくさんあるのです。
■ 運行前点検を怠ると、どうなるか?
実際にあった事例を一つ紹介します。
ある事業者さんの塵芥車が、現場で突然作業できなくなりました。
原因は、「油圧ホースの劣化による破裂」でした。
朝、オイルがにじんでいたにも関わらず、
「まあ動くだろう」と安易に出庫した結果、作業中に油圧ホースが破裂。
積込み作業ができなくなり、回収業務を急遽終了せざるを得なくなりました。
→ 数日間の運用停止。
その間の損失や信頼低下は、想像以上に大きいのです。

■ 故障を未然に防ぐ、塵芥車日常点検
実は、特別な知識や工具がなくても、毎日の点検はできます。
以下のような項目を**“毎朝5分”**チェックするだけで、トラブルの芽を摘むことができるのです。
「毎日点検しても、何の変化もない」と思うかもしれません。
ですが、その“何も起きていない正常な状態”を知っておくことが大切です。
そうすることで、突然いつもと違う状態になったとき、すぐに気づけるのです。
■ 運行前チェックリスト(基本編)
項目 | チェックポイント | OK / NG |
エンジン | エンジンのかかり具合 | □ OK / □ NG |
エンジンオイル | レベルゲージで量と色を確認 | □ OK / □ NG |
冷却水 | リザーブタンクの量と色を確認 | □ OK / □ NG |
作動油 | 作動油の量と色を確認 | □ OK / □ NG |
バッテリー | 端子の緩み、腐食なし | □ OK / □ NG |
油圧ホース | にじみ・亀裂・変色 | □ OK / □ NG |
DPF警告灯 | 点灯していないか確認 | □ OK / □ NG |
緊急停止スイッチ | 積込作動が止まる事を確認 | □ OK / □ NG |
■ 点検が“会社を守る”という発想
運行前点検は、面倒な義務ではなく、「保険」であり「リスク管理」です。
- 修理代を抑えられる
- 突発トラブルを未然に防げる
- 社員や地域の安全を守れる
整備士として声を大にして伝えたいのは、
「点検こそ、最も費用対効果の高い整備」
であるということです。

■ 最後に
「動かない」「壊れた」では遅いのです。
そうならないために、“いつも通り”を確認するだけの5分間が大きな価値を生みます。
あなたの塵芥車が無事に仕事を終えられるよう、今日から点検を習慣にしてみてください。
明日は、「塵芥車って何年使えるの?」という素朴だけど重要なテーマを取り上げます。
買い替えや修理判断で迷っている方には、特に参考になる内容になると思います!