DPDマフラーだけ交換すれば、本当に直るのでしょうか?
こんにちは。
井野口自動車整備工場の井野口です。
前回の記事では、東京都で造園関係のお仕事にパッカー車を使用されているお客様からご相談をいただき、車両をお預かりすることになったお話を書きました。
今回は、その車両を実際に点検したときのお話です。
点検の結果、DPDマフラー内部の触媒が破損していました。
まずは故障診断機で車両の状態を確認し、さらに各部の点検を進めました。
その結果、排気ガスをきれいにするマフラー(DPDマフラー)の内部にある触媒が破損していることが分かりました。
原因が分かったことで、まずはDPDマフラーの交換が必要と判断しました。
そこで、一つのアドバイスをいただきました。
交換するDPDマフラーを手配するため、いつもお世話になっている専門メーカーへ連絡しました。
症状を説明すると、
「インジェクターも確認した方がいいかもしれません。」
というアドバイスをいただきました。
以前のブログでもお伝えしましたが、
インジェクターの燃焼状態が悪くなると、黒煙(スス)が増え、DPDマフラーに大きな負担がかかります。
つまり、
DPDマフラーが壊れた原因が、インジェクターにある可能性も考えられる。
ということです。
でも、私はすぐには交換しませんでした。
そこで改めて、故障診断機でエンジンの状態を詳しく点検しました。
特に、燃料を霧状に噴射するインジェクター1本1本の状態を確認したところ、異常は見られませんでした。
結果は…
正常範囲。
もちろん、
「念のため交換しておきましょう。」
という考え方もあります。
しかし私は、
正常に機能している部品まで交換することが、本当にお客様のためなのだろうか。
と考えました。
部品を交換すれば、その分だけ修理費用は大きくなります。
私は、
必要なものだけを交換し、本当に必要な整備を行う。
それが、お客様との信頼につながると考えています。
そこで今回は、まずDPDマフラーを交換し、その後の状態を確認することにしました。
もう一つ、見逃せない不具合がありました。
点検を進める中で、もう一つ気になる部分がありました。
それは、
排気シャッターバルブです。
この部品は、DPDマフラーを再生するときに排気の流れを制御し、マフラー内部の温度を上げる重要な役割があります。
ところが、この排気シャッターバルブの動きが悪くなっていました。
そこで、この部品も交換することにしました。

交換後の確認
DPDマフラーと排気シャッターバルブを交換したあと、再度点検を実施しました。
DPDマフラーの再生も正常。
排気シャッターバルブも正常に作動。
インジェクターの状態にも問題は見られませんでした。
そのため今回は、
インジェクターの交換は行わない
という判断をしました。
次回予告
無事に修理を終えたパッカー車。
そして、お客様が東京都から車両を引き取りに来られました。
修理後、お客様からいただいた言葉。
そして、この修理を通して私が改めて感じたこととは。
最終話では、
「壊れた部品を交換する」だけではない、整備士の役割についてお話ししたいと思います。